たこ焼のじかん


「・・・・・・」


「どうした。たべろよ」


お父さんが開いた
たこ焼きの包みから
ぼくはたこ焼をひとつ
取ってかじった。
たこ焼はふはっと
熱かった。
目の前の川は、
夕焼けを映して
赤くなっていた。
お父さんは
ぼくの横に座り
黙って川を見ながら
たこ焼を食べた。
ぼくも黙って、食べた。
気のせいか、
いつものより
ちょっとしょっぱい
気がした。
赤い川を静かに
波立たせて
船の影がゆっくりと
過ぎて行った。

お父さんは
何も聞かなかった。
ぼくが最後のひとつを
食べ終えると
お父さんは、ぼくの肩に
そっと手をのせ、
そして、ギュッと
強くつかんだ。



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